信用金庫と市役所は永遠のライバル。
どっちも「地域密着」かつ「公共性が高い」という点で常に比較されている。
ということで、新卒のあなたにも転職を考えているあなたにも参考になるように元信金職員の意見を交え徹底比較してみようと思う。
まずこの記事を読んでほしいのはこんな人達!
「既に信用金庫で働いていて市役所に転職を考えている人」
「これから就職活動をする人」
「もしくは官公庁関係の仕事に転職したい人」
「市役所と信金どちらがおすすめか知りたい人」
元信金職員である私の実体験メインの話をさせて頂く。
公平性を保ちたいとは思ってはいるものの、一方しか経験してないが故、若干偏った内容については了承願いたい。
では本題と結論から
信用金庫(銀行)と市役所どちらが良いかというと、どんなに考えてもやっぱり人それぞれ。
ふざけるな!と思った人もちょっと待ってくれ。
答えになっていないことくらいわかってる。
というのも市役所も信用金庫もどちらも良い点・悪い点があるから一概にどちらが良いとは言えない。
ただそれぞれの特徴や、実体験に基づいた上での比較、あなたにはどっちの方が合っているかの指標は提示できる自信がある。
最後までお付き合い頂けると幸いです。
信用金庫と市役所どちらがおすすめ?
結論、人それぞれ。だけど、どっちがあなたに合っているか見極めることはできる。
信用金庫と市役所どちらが優良企業なのか。
それは一概には答えることができない。
言うなれば価格の同じ和食と洋食を「どっちが好き?」と比較しているようなものだから。
信用金庫には市役所には行きたくないという人もいるし、逆に市役所に行きたい(行けばよかった)と願う人もいる。
つまり、あなたの価値観によって選択は変わる。
そして大事なのは、コレを求めるなら市役所、アレを求めるなら信用金庫ということで
「一定における点において優劣をハッキリさせること」である。
元信用金庫職員の個人的見解は?
人それぞれと言いながら、実は個人的に思うところはある。
・新卒なら個人的には信用金庫をおすすめしたい。
・転職なら市役所一本ではなく、官公庁向けやノルマ・転勤がないホワイト企業などもう少し幅を広げてほしい。
何故こう思うかは後半に記載しているから詳しく見てほしい。
転職希望者向け|信用金庫から市役所に転職する人はいる?
毎年一定数いる
市役所に転職する人は少なからず一定数いる。
私が勤めていた信用金庫では毎年2.3人が市役所に転職したという噂を聞いていた。
本当はもう少し多いかもしれないが。
そして、私が入庫をした2010年半ばと比較すると直筋2.3年では転職で市役所に行く人は大分減ったように感じる。
「ノルマが無い」「安定」「地元」「残業少なめ」という価値観を満たす企業がリモートワークの普及とともに増えてきたからだと予想している。
ホワイト企業=市役所という概念が崩壊し、転職活動は加速の一途を辿っている。
逆に市役所の転職率は20代で10%ちょっと、それ以降は10%を切っておりとても低い。
しかし裏を返すと10人に1人は市役所から転職したいと考えているのである。
満足度はその人次第?
全ては転職になにを求めるか。
転職は自分の価値観を満たす企業に行く活動。
あなたの幸せを叶えるためにするもの。
例えば社長と会って話すのが好き、じっとパソコンをすることに耐えられない私は市役所に行っても幸せにはなりづらい。
逆に、毎日ルーティンワークが続くことを好む人や定時で上がれる(部署にもよる)ことを望むなら市役所が合うだろう。
何を満たすために転職活動をするのかをはっきりさせておく必要がある。
同じ食べ物を食べても満足度や感想が違うように、あなたが何を求めるかで成功か失敗が決まる。
自分の軸をまだ見つけられない!という方は是非↓の記事を参考にしてほしい。
安定や地元を望むなら市役所以外の選択肢も持つべき
- 地元に貢献したい
- ある政策を推し進めたい
明確にその市役所に行く気持ちがあるなら市役所をおすすめする。
しかし、一般的な「安定」「定時」など漠然とホワイトカラーを想像して市役所に行きたいのであれば、ちょっと待ったと言いたい。
市役所がブラックという訳ではなく、市役所以外にもホワイト企業がめっちゃあるということ。
私自身転職活動をしてわかったことだが、世の中は想像の何百倍も会社がある。
そして働き方改革や残業規制に伴いホワイト企業も想像以上に増えているのだ。
具体的な職種や業種は網羅できないくらい多いので明言できないが、転職サイトで検索するととってもわかりやすい。
新卒向け|信用金庫をおすすめする理由
新卒で市役所と信用金庫で悩んでいる人に、私が信用金庫をおすすめする理由は経験談を赤裸々に綴っていくので参考にしてほしい。
最高の出会いが待っている
最高の仲間、大好きなお客さんがあなたの人生を変える。
私が信用金庫を選んでよかった一番大きな点。
他の仕事でも同じじゃないの?と言われますが全然違う。
①信用金庫は同じエリアを2~3年回り続けるため必然的にお客さんと仲良くなる
②転勤エリアが限られていることで同期や先輩、後輩と定期的に会えるし、親友になれる
こういったメリットがある。
私は信用金庫を退職した後も一定のお客さんとは会っているし、同期も未だに飲みます。
市役所では、上記のような出会いが無いとは言いません。
ただやっぱり目標を達成しようとする中でこそ生まれる、強い信頼はあると思うんだ。
転職したい!と思った時に選択肢が多い
信用金庫から転職の幅はめちゃめちゃ広い。
ここでも書いてある通り、信用金庫で身に付くスキルは幅広い。
もしあなたが転職を将来的に考えた場合、
BtoB、BtoC関わらず無形商材を扱っているから営業職には強いし、決算書を読めるというのは財務・経理職にも強い。
本部経験で専門部署に行けば金融専門職にも行ける。
在職中に簿記や中小企業診断士、証券アナリストを取っていわゆる高年収帯へステップアップすることも可能。
とにかく幅広いんだ。
逆に市役所勤務で営業いくのはちょっとしんどい部分もあるからそういった面でも信用金庫はおすすめだ。
総合職であれば給料が市役所より高い
信用金庫の大きさにもよるが20代後半で500~600万、30代後半で1,000万も全然可能。
信用金庫は確かに年功序列だから若い時分には給料は低い。
しかし、順調に出世すれば一部上場企業並みにはなる。(信用金庫大手であれば)
これはとある公務員が明かしている実際の収入額である、他サイトを見ても大体のこのくらいであると予想できる。
実際これを超えるのは余裕だと思う。私自身30手前で600万弱を貰っていた。
しかし、今の信用金庫の年収が将来維持されるかはビミョーかもしれない。
業界のホワイト度は年々急速に進んでいる
金融は年々ホワイト化している。
金融といえば数字へのプレッシャー、有休が取りにくい、パワハラなど労働環境に対するネガティブな意見が多く見受けられた。
実際私が入った2010年代中盤はまだそういった傾向があったが、退職間際2022年にはそのような文化はほとんどなくなっていた気がする。
金融業界に就職する人材が減っている為、企業としても退職は何とか避けたいが本音であり、退職の根源となる悪しき風習については徹底的に排除しようとする動きがでている。
しかし基本的に残業は多くて20~30時間だったし、有休も取得可能であったし少なくとも私は働きやすい環境であった。
同期もほとんど同じような状況。
信用金庫と市役所お比較
年収
信用金庫は総合職での比較としている。
信用金庫 | 市役所 | |
20代 | 400万~600万 | 400~500万 |
30代 | 500万~1,000万 | 500万~700万 |
40代 | 600万~1,400万 | 600万~800万 |
50代 | 600万~1,500万 | 600万~900万 |
信用金庫の規模や市役所によってもばらつきがある為一概には言えない。
しかし上記の信用金庫の数字は私が勤めていた信用金庫で実際に聞いた話を元にしており、脚色はしていない。(全国ではトップクラスの規模の信用金庫である)
そこで出世する人はどのくらいの割合かについてであるが、結論、それなりに厳しい競争はあるが支店長になるなら順当にいけば可能というレベルだ。
上記の30代の1,000万や40代で1,400万は支店長での年収になる訳である。
年収に重きをおくなら信用金庫をおすすめしたい。
勤務時間
部署によって差がある為断定できないが、市役所の方が短い傾向にある。
信用金庫 | 市役所 |
月間10~30時間 | 月間0~13時間 |
信用金庫であれば支店や役職によっても差があるため一概には言えないが、私の経験上10~30時間残業が普通であった。
360協定を交わしていることや労基が厳しくなっていることもあり、残業時間は年々減少傾向であることは間違いない。
ちなみに
自治体オンライン 残業があたりまえでも自分らしく働きたい によると市役所の残業時間はおおよそ上記の図のようになるのだが、やはりこちらも部署によって異なる為断定はできない。
つまりワークライフバランスというものを勤務時間とするのであれば、市役所に分があると言える。
将来性
どちらも将来性があるとは断定できない業界
今の時代、全ての業種において将来性など不透明なのである。
例えば、市役所も信金も無くなることはないが給料が今の水準で将来も貰えるかというとそこは微妙。
信用金庫に至っては今後統廃合を繰り返し大手となる信金に居れるのであれば安泰。
- 1998年:¥377,268
- 2020年:¥337,788
福利厚生
福利厚生はどちらも良いが、市役所優勢
どちらも福利厚生は整っている。
退職金もあれば、年金はもちろん、残業代は全額支給など。
私が勤めていた信金ではそれ以外にも一分資格奨励金やバースデイ休暇などもあった。
ある一部企業のように住宅手当が出ないことは双方の弱みであるが、それ以外でみればどちらも大手企業に引けを取らないであろう。
やりがい
双方「地域」への徹底的な貢献
やりがいという曖昧な言葉は人それぞれ捉え方が異なる為これも一概にして言うことができない。
しかし、あなた生まれ育った地域を育成し、成長させることは双方において共通するやりがいと言えるのではないだろうか。
例えば私が信用金庫で働いていた上で感じたやりがいとは以下のようなものがある。
- 中小・零細企業への財務支援
- 補助金や助成金、経営計画作成など本業への支援
なんとも堅苦しい表現になってしまうが、一言でいうと
市役所であれ、信用金庫であれそこについては変わらないであろう。
しかし、お客さんと接する機会の多さについては信用金庫の方が多いのは事実である。
総合評価
評価項目 | 信用金庫 | 市役所 |
---|---|---|
年収 | 〇 | △ |
勤務時間 | 〇 | ◎ |
将来性 | △ | 〇 |
福利厚生 | ◎ | ◎ |
やりがい | ◎ | 〇 |
・人と話すことで元気を貰う人、活力になることがある人なら信用金庫
・将来転職願望が無く、安定して地元で一生暮らしたい人なら市役所
私ならこんな風に分けるだろう。
どうしても信用金庫で育った身としては信用金庫ひいきになってしまう。
市役所へ転職を考えている人におすすめする官公庁に強いサイト
市役所一本に絞る前に検討してほしいことがある。
市役所以外にも官公庁向けの仕事というものが世の中には多数存在する。
それに強いのがビズリーチだ。
ビズリーチ
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
拠点一覧 | 東京/埼玉/静岡/名古屋/京都/大阪/広島 |
営業時間 | 平日10:00〜18:00 |
公開求人数 | 127,000件(2022年4月現在) |
非公開求人数 | 116,752件(2022年4月現在) |
業種一覧 | 全業種 |
職種一覧 | 全業種 |
料金 | 無料 (一部有料)プランタレント会員:30日間コース 3,278円(税込) ハイクラス会員:30日間コース 5,478円(税込) |
ビズリーチは独自の審査基準を満たした人だけが登録出来るハイクラス向けの転職サイトであり、経営層クラスに近い役職の求人が数多くある。
確かに高年収(ハイクラス)向けではあるのだが、意外と官公庁向けの仕事が多い。
マイナビやdodaと比較しても若干多いくらいのラインナップであった。
信用金庫から一般企業に転職するのであれば
- 「マイナビ金融エージェント」
- 「doda」
の2強だと思っているのだが、官公庁向けの仕事となるとビズリーチを強く勧めたい。
\官公庁向けのラインナップに強み/
実際に使った感想
「え、求人少ないかと思ったけど全然あんじゃん!!」
ビズリーチって信用金庫でいうと課長以上の管理職が使うイメージでしたが、意外とそんなことない!
結構スカウト来ますし、登録だけでも価値はあります。
私は転職の軸の中で「年収」にさほどこだわっておらず、「今よりは上げたい!」って感じだったのでビズリーチから面接応募はしませんでしたが、年収800万円くらいをラインとして転職活動をするなら使うべきだと思います!
\官公庁向けのラインナップに強み/
まとめ
信用金庫と市役所どっちがおすすめか断定はできないが、個人的意見は信用金庫。
どちらも選択肢としては間違ってはいないと思う。
しかし新卒で今後の人生を考えている方については、
将来的に転職する時に有利
様々な業種の企業や社長と会うことができる(やりたいことが明確化する)
とにかく素晴らしい出会いが待っている
こういった理由から信用金庫をおすすめしたいのである。
一方、信用金庫から市役所に転職をしたいと考えている人については
ビズリーチであれば官公庁向けの仕事を多く扱っているし、市役所一本で見ていた世界に変化が訪れるかもしれない。
選択肢は多くもつに越したことはない。
なんとも歯切れの悪い比較記事となってしまったことにお詫び申し上げるとともに、皆様の転職・就職に幸が訪れることを祈って結びの言葉とさせて頂く。
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